春ソバを収穫したい
管理人は数年前から静岡県島田市にてソバの栽培を行っています。
試行錯誤を重ね秋ソバはそれなりのものを収穫することができましたが、今まで一度もまともに収穫できていないのが春ソバです。
今年も果敢に春ソバを栽培し失敗しましたが、原因と改善策がなんとなく分かってきましたので記録しておきます。
初めての秋ソバ栽培はこちら

栽培環境
場所
静岡県島田市某所。
気候は温暖な平地、背後には山が迫る土地です。
元は水田で土質は粘土質。
品種
草丈が低いので倒れにくく、食味も良い「夏吉」を選択。
作付け面積
大体3アールほどの土地。
播種量は2.5kg。
畝立てをして排水をよくする。条間は50㎝取りました。
成長記録
2022/4/14 種まき
事前に畑に肥料を入れ、トラクターで2回ほど耕耘し、排水のために畝立てをします。
4月に入り最低気温が10℃以上になってきた頃、畝の頂点に筋を入れ種を蒔き、軽く土をかぶせます。
2022/4/22 芽生え
1週間もすると続々とソバが芽生えてきました。
2022/5/25 花が満開
自然降雨だけでソバは成長し花が咲きました。草丈は長いもので40センチほどで小さいです。草丈が小さいので葉の枚数も少ない。
ソバの成長が芳しくないためか、大きな雑草が畝に発生していたりします。
草丈が小さかろうが植えてから大体40日位で花が咲いてしまいます。
株の下の方の葉が黄変しています。まだ結実していないこの時期にしてはちょっと黄色くなりすぎなような…
花をはたくさん咲いているので、咲かせるだけで株のエネルギーを使い尽くしているのか。
2022/5/27 大雨で水没
静岡を襲った記録的な豪雨によりソバ畑が水に浸かりました。
畝を立てたものの畑自体の排水が悪く、畑全体が水に浸かることとなってしまいました。
2022/6/10 収穫
結実した実がある程度黒い色になってきましたので収穫です。
実はたくさんついてはいるのですが、いかんせん中身が入っていないものが多いです。
ぷっくりとした実が入っているものもありますが数が少ない。
株の背丈は高いもので50センチほどでよく成長しているとは言い難いです。
ソバの成長が良くないので、雑草も茂ってしまっています。
今年の春も大変微妙な出来となりました。
刈り取りの後、乾燥等作業を行い粉にしていきますがまともな量は穫れそうもありません。
春ソバはなぜ失敗するか
ここ数年、春ソバは失敗し、秋ソバはそこそこできるという年が続いています。
管理人はその原因を「柔らかい土作りができているか否か」だと考えています。
春より秋のほうが土が柔らかい
ソバを栽培している畑の土壌はもともと水田なので粘土質です。水に浸かった後乾くとガチガチに固くなります。
ソバを栽培している畑は春と秋の2回ソバを作り、間の時期は放置してあります。
春ソバ栽培後から秋ソバ播種までの数カ月間畑は草に覆われるので、秋ソバ栽培前には草ごと土にすき込み耕運します。草が大量に漉き込まれるので、粘土質の土と言えどそれなりに柔らかい土(草によって隙間ができて固まらない)になっています。
一方、春ソバ播種前の畑は冬期ということもあり草が少なく、耕運しても漉き込まれる草が少ないです。よって秋ソバ栽培よりも土が固くなります。
こうした土の違いが栽培結果に影響しているのではないかと考えています。
ソバは荒れ地でも育つといえどもやはり土が柔らかいほうが根が張って大きく育ちます。
今回栽培したソバを抜いてみると写真の通り、根が少ないです。豪雨により一度水に浸かってしまったのもあり土がとても硬く、抜こうとしても根が切れてしまい簡単には抜けません。
そういえば昨年秋の栽培は運良く台風で畑が水に浸かることがなかったため、ソバがよく成長しそこそこのものが収穫できたと考えられます。
改善するには
以上を踏まえて対策を考えます。
具体的な対策は以下の二点になるかと思います。
土壌改良
土が粘土質で根が張れないため、籾殻や堆肥などの有機質、または砂やパーライト等を混ぜ込み土に間隙を作る。または栽培の合間にクローバーなどの緑肥を育てて鋤き込むか。
砂を混ぜるほうが効果が長いこと続いて良さそうですが、借りて耕作をしている土地なので許可が下りません…。
排水対策
今回は畝立てをして排水対策をしましたが、そもそも畑は周りの道より一段下がっており、しかも水の出口が無いため畑が水に浸かってしまいました。
畑に傾斜をつけるか、暗渠を掘るか…なんにしろちょっと大掛かりになりそうです。
まあ…2年前にも同じようなことを考えていたのですが月イチ農家の管理人にとっては少々腰が重く…
どちらも手間がかかるので、他の土地を借りて耕作するという選択が一番早いのかもしれません。
今回はここまでです。
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