ハオルチアは養液栽培(水耕栽培)可能なのか
昨今、主に野菜の分野ですが養液栽培(水耕栽培)というものが盛んにおこなわれています。
なぜ水耕栽培が盛んに行われているかというと、一般的に土耕栽培よりも植物がより大きく早く育つからです。
その理由として以下が挙げられます。
- 根が肥料分と酸素を吸収しやすい(肥料液を循環または点滴させるので)
- 日照時間や温度を最適に調整できる(工場生産される場合が多いので)
そんな水耕栽培ですが、野菜のほかには花、観葉植物などで行われていますが多肉植物ではあまり行われている例を聞きません。
行われない背景にはいろいろ理由がありそうですが、今回は多肉植物のハオルチアは養液栽培をすると野菜のように生育が早くなるのか、土で育てたものと比較実験してみたいと思います。
今回の実験の要件と確かめたいこと
今回の実験で確かめたいことは「多肉植物に肥料と水を潤沢に与え、根に酸素を供給したら成長は促進されるのか」になります。
土栽培のハオルチアの成長が、「肥料または水または根への酸素が足りないこと」によって阻害されているとしたら、養液栽培をおこなったほうが速く成長するはずです。
光をあてる時間や光の強さも生育の条件にはなってきそうですが、それはまたの機会に実験してみることとします。
それぞれを以下の要件で栽培していきます。ちなみに今回の実験には、ハオルチアの「旧氷砂糖」を利用します。
1と2で異なる要件は水のやり方と肥料の有無と鉢です。1の養液栽培のハオルチアは、お茶パックを利用した底面吸水構造によって「肥料と水が絶え間なく与えられ、根に酸素がいきやすい」状態にあります。
実験の条件設定の理由
多肉植物の多くは乾燥した場所に生えており、光合成の仕方が一般の植物と異なります。
一般の植物は光を浴びて光合成を行い、糖を生成します。この時、気孔を開いて二酸化炭素を吸収し、酸素を排出します。
しかし、多肉植物が光が当たる昼間に気孔を開いてしまうと水分が失われてしまうため、涼しい夜の間に二酸化炭素を吸収し、昼間に光合成反応を起こして糖を生成しています。
こういった光合成をおこなう植物をCAM植物といいます。
こういった特性を持つCAM植物の成長を阻害する要因として考えられることを以下に挙げました。
- 昼間、吸収したCO2が尽きて糖が合成されない(昼間の時間が長すぎる)
- 吸収するCO2を使い切れず糖が合成されない(昼間の時間が短すぎる)
- 糖は十分作れているが肥料分や水が足りずタンパク質合成ができず成長できない
というわけで、現在養液栽培(水耕栽培)ブームが来ているので今回は3つ目の水と肥料と根への酸素を多く供給してみることをまず検証してみることにしました。
とはいえ、多肉植物は乾燥地帯に生えている故体内に水を多く含み、多湿にすると腐りやすくなります。
今回はヤシガラを培地に底面吸水を行うので水にそのまま漬かるわけではないのですが、水分が多いことには変わりありません。
数日で腐って実験終了となるかもしれませんが悪しからずお付き合いください。
実験の準備
今回実験に利用するのは前述のとおり、ハオルチアの「旧氷砂糖」です。
結構人気のある品種で管理人も大好きなのですが、残念ながらそんなに成長が早くありません。
こちらを養液栽培で生育を促進出来たら嬉しいことです。
同じ株から出た子株で、同じくらいの大きさのもが2鉢ありましたのでこちらを実験に使っていきます。
養液栽培をしていく方を鉢から抜きました。太めの根が4本生えています。
根を傷つけないように根についた砂を落とします。
お茶パックを鉢としてヤシガラ培地に植え付けます。
土耕のものと並べてみました。これが実験のスタート地点となります。
養液栽培の方は、底から5㎜程養液を入れたプラスチックケースに並べます。
この後、いずれも植物用蛍光灯の下で管理していきます。
照度は直下で15000ルクスほどです。(スペック…全光束:2400lm、 照度 : 680lx /1m)
ちなみに、今までもこの蛍光灯の下で管理されていました。
成長記録
記録は随時更新していきます。
まとめ
実験ののちにまとめていきます。
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