先日、近所の花屋で買い物をしたところ、チューリップの苗をいただきました。
蕾が膨らんでおり開花直前のポット苗でした。
管理人は今までろくにチューリップを育てたことがなく知識も曖昧なのでこの機にいろいろとまとめてみたいと思います。
チューリップの花の観察
早速ですがチューリップが開花しました。
頂いたときはまだつぼみが緑色だったので咲くまでに1週間くらいかなと思っていたのですが2日後にはこのように見事な花が咲きました。
赤と黄色のグラデーションが美しいです。
チューリップ、開花をじっくり観察してみて驚いたことがいくつかありました。
驚き① 花が意外と大きいし日々大きくなってる
まず驚いたことは、花が意外と大きいことです。イメージでは片手の中に楽々納まるくらいかなと思っていたのですが全然そんなことはなく、マグカップくらいあります。
しかも咲いてから日に日に大きくなっているように思います。
調べてみると、チューリップの花は確かに日が経つにつれて大きくなってゆくようです。
当然ながら花の大きさは品種によるんですが、管理人のイメージが壊された瞬間でした(笑)
驚き② 花が開いたり閉じたりする
日中、日が当たって暖かくなると花が開いているように思います。
また、曇りの日だったり夜になると花が閉じます。
こちらも調べてみると、温度の変化によって花が開閉しているようです。
温度が18℃以上になると、花の内側の細胞が成長するため花が開き、18℃以下になると花の外側の細胞が成長するため花が閉じるのだそうです。
この成長を繰り返すため、花自体のサイズも大きくなるのですね。
驚き③ チューリップも種ができそう
いや、当たり前のことなんですが…
チューリップの花の中を覗き込んでみるとおしべとめしべがあります。
中央の白いものがめしべでその周りの黒いものがおしべです。大変分かりやすい形をしています。
チューリップは球根で増えるものと思い込んでいたのですが、こうして観察してみて改めて種ができそうだなと。
こちらも調べてみると、確かにチューリップにも種ができます。
しかし、チューリップは自家不和合性(自分の花粉で受粉しても種ができない)という性質があり受粉しにくいのと、種ができても開花までに5年ほどかかるので球根で増やすことが一般的になっているそうです。
参照:なぜチューリップは球根で栽培するの?種子ではできないの?
球根で増えたチューリップは親と全く同じ性質を持つクローンになるので新しい品種を生み出そうとするときには受粉させて種を作ります。
チューリップの今後の管理
一通り観察を終えたところで、今後の管理の方法です。
チューリップの花は置き場所にもよりますが咲いてからおよそ1週間前後で散ってしまいます。
その後、花のめしべの下の子房部分を切り、葉は残して日光に十分当て育てます。
そうすることで種の作成に使われるエネルギーが球根の肥大に利用されます。
葉が枯れてきたら地上部を切り取り、来年まで植えっぱなしにするか、掘り上げて土を落とし秋口まで涼しい場所に保存しておきます。
今回はポット苗をもらい、植えっぱなしにしておくのもなんなので掘り上げようと思います。
チューリップの豆知識
さて、最後にマメ知識を。
チューリップといえば、チューリップバブルという言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
世界最古の金融バブルといわれている現象です。簡単にまとめてみるとこんな感じ。
- 16世紀にトルコからチューリップの球根が持ち込まれ、貴族に広がる
- オランダでチューリップが豊かさの象徴となり高値で取引され始める
- 一般市民がチューリップの取引を始め、価格が上がり始める
- 1630年代になりチューリップの価格が一気に上がり、球根一つで家が買えるほどに
- 1637年、上がりすぎた値段に買い手がなくなり、突然価格が急落
- 一瞬にして無一文になる人が続出
こちらのサイトで詳細に面白く解説されています。
出典:チューリップバブル:最古の金融バブルの凄さをわかりやすく解説
バブルの中で高値で取引されていたまだら模様が入ったチューリップ、性質が弱かったとありますが、それもそのはず。
チューリップの病気のメジャーなものとして紹介される、モザイク病にかかっているからなのです。
こちらはバブル期に最高値を付けたゼンベル・アウグストス(無窮の皇帝)。
白地に赤の縞模様が入る、典型的なモザイク病の花びらをしています。

参照:唐草図鑑
植物学者である田中修先生の著書である「植物はすごい 七不思議編」によると、当時高値がつけられたまだら模様のあるチューリップを作り出すために健全な球根にまだら模様のチューリップの球根の鱗片(球根を分割したもの)を挟み込んで土に植え、病気を感染させていた、とのこと。
このようにしてモザイク病にかかった縞模様のチューリップはブロークンチューリップと呼ばれ、現在は品種として認められておらず、流通していません。
ただ、すべての縞模様のチューリップがモザイク病というわけではなく、突然変異で花びらに縞が入ることもあり、そちらはレンブラント咲き等と呼ばれて流通しています。
チューリップの価値だけでなく、その美しさも病気の感染によって無理やり作り出された虚像だったのかなあと思うとなんだかはかない気分になります。
では、今回はこのへんで。
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