2020年9月末、そろそろ秋の気配が本格化してきた今日この頃。
叔父が経営する農場にて米の収穫作業をしてきましたので作業風景をレポートします。
農場データ
基本的に家族、親戚が食べる分だけの生産をしている小規模な農場です。
兼業で、作業は週末に行っています。
一部を商品として道の駅的なところに出しています。
- 場所:静岡県島田市某所 山のふもと
- 米作付面積:約1.5反
- その他品目:梅、梅干し、蕎麦(試行錯誤中)
作業風景
米の収穫自体は9月中旬から始めていたのですが天候に恵まれず、完了したのが9月末となりました。
1.5反の田んぼをすべて刈り終えて脱穀し終わるまでに4人体制で4日ほどかかっています。
刈り取り
まずは刈り取りです。ここ数週間雨が多かったのと、作業途中でも雨が降り始めたため少しぬかるんだ中での作業となりました。
刈り取りはバインダーという機械を利用して行います。
これは、米を刈り取り一定の量でひもで縛ってくれるもの。縛った束は機械の横からポーンと射出されます。
刈り取りをしていると生き物が沢山出てきます。カエルやバッタに加え、最近はジャンボタニシが沢山発生しています。
ジャンボタニシは稲を食い荒らすので全国で問題になっていたりします。
すべて刈り終わった田んぼはこんな感じになります。
昔ながらの米作りの作業ですと下の写真のように「はざかけ」を行って米を天日乾燥させたりします。
昨年までははざかけを行っていましたが今年から乾燥機が導入されたのでやりません。
はざかけをすると美味しくなる気がしますが手間がものすごいのですので…
脱穀
稲を刈るのと並行して脱穀作業を行います。
使うのは脱穀機(ハーベスタ)です。バインダーで束にした稲を一束ずつ機械に入れていきます。
一気に入れると機械が止まってしまうので慎重に。
茎の束は機械横から射出されます。
茎から外されたコメは手前にぶら下がっている袋の中に溜まります。
茎の束はさらに束ねて近隣のお茶農家さんの元へ持っていきます。お茶の木の敷き藁にされるんだとか。
機械が古く作業中に脱穀機が止まってしまったため、蓋を開けてみました。中はこんな感じになっています。
中でドラムが回転して稲を巻き込み茎から外していくようです。
自然物という形がかっちり決まっていないものを扱える農業機械はなんかすごいなと思います。(小学生並みの感想ですみません)。
曖昧さを受け止める設計というんでしょうかね。
乾燥
脱穀が終わったら乾燥させていきます。
使うのはこの乾燥機。結構大型です。
横の部分の口を開けて米を入れていきます。
スイッチを入れるとゴォーという音が響き、設定した数値まで米を乾燥させてくれます。
その後、もみすり機にかけて皮を取り、精米機で精米していきます。
このように、米を収穫して食べられるようにするまでには沢山の工程を踏んでおり、とても手間がかかる作業となっています。
今年の収量と収入の話
見込みですが、今年は玄米の状態で700㎏ほどの収量となりそうです。
クボタのたんぼによると、10アール(≒1反)あたりの収量はおよそ530kgくらいですから、1.5反(≒15アール)で700㎏は平均よりも少し低めということになります。
米の価格
さて、ここで米の価格の話をします。
米は卸価格だと質の良いもので30kgあたり6000円となります。
今回できた米を仮にすべて卸に売ったとすると、およそ14万円の収入となります。
(実際には親戚や知り合いに買ってもらっているので卸には出しませんが)
今回は記事にしていませんが、米を育てる段階でも様々作業が必要で、それなりに手間とコストがかかっています。
というわけで、米は少量作る分には収入よりも手間とコストが大きく上回ります。
大規模に効率的にやらないと米農家としてはとてもやっていけない状況です。
作業を効率化させる機器として、刈り取りから脱穀までできるコンバインなどいろいろあるのですが、農業用機械ってかな~り高いんですよね…
小規模な農家となるとそのような機器をなかなか導入するわけにもいかないのが悩ましいところです。
まとめ
今年も親戚一同で作業をし、無事に収穫を終えることができました。
前述のとおり、叔父の農場は小規模で基本的に儲からないので親戚や知り合いの方に美味しく食べて笑顔になってもらうことを第一にお米を作ってくれています。
小規模農家が経営に苦しんでいる話は昨今良く聞こえてきますが、このような苦労を抱えつつも食べる人のことを考えて作ってくれている人がいるということを肝に銘じなければいけませんね。
今年の新米も、食べるのが楽しみです!
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